Vetementsについて
極端に丈の長いロングスリーブやビッグシルエットで2014年に登場して以来、世界にセンセーショナルを巻き起こしたVetements(ヴェトモン)。スポーツブランドのリーボックやチャンピオンなどとのコラボを多数行っていることでも知られ、その都度人気爆発し入手困難になるなど、常にストリート界に話題を提供してきました。現在では、ヴェトモンの流れを汲み、もはやロングスリーブやビッグシルエットはストリートアイテムの定番となっています。ヴェトモンは、現在のラグジュアリーブランドにおけるストリート化の先駆者ともいえます。
その仕掛け人は、ヴェトモン創立者のデムナ・ヴァザリアです。2015年からはバレンシアガのデザイナーとしても活躍しているデムナ・ヴァザリアの手がけるラインは、世間の度肝を抜くような前衛的、挑戦的なデザインで、世界のファッショニスタを虜にしています。ブランド名の「ヴェトモン」は、フランス語で「服」を意味し、本人曰く「ヴェトモンこそが服である」と言わしめるほど自信に満ち溢れています。通常ラグジュアリーブランドの主力商品が鞄や財布などであるのに対し、ヴェトモンはアパレルメインのラグジュアリーブランドであるにも関わらず、強気の価格帯でブランド自体の価値を高め、世界のファッションセレブのステータスとなっています。
人気アイテム
VETEMENTS x REEBOK INSTAPUMP FURY GRAFFITI
2016年7月のパリコレで初登場し、2017ssシーズンで発売されたリーボックの人気ライン、インスタポンプフューリーとのコラボスニーカー。ホワイトのアッパーに落書き風のペイントを落とし込み、左右非対称なデザインになっているクールなスニーカーです。現在では入手困難な幻のスニーカーになりつつあるレアアイテムとなっています。近年、クリスチャンルブタンやドルチェ&ガッバーナなど様々なラグジュアリーブランドから落書き風アイテムが登場していますが、その流行の源泉はここからきているのかもしれませんね。デムナ・ヴァザリアの個性光るアイデアとセンスの波及効果はすごいです。
DHLコラボTシャツ
世界に拠点を持つ、国際輸送会社のDHL社とのコラボTシャツ。物流会社とコラボしたブランドは未だかつてなかったため、かなりのインパクトで、国内の店頭では2016年の発売後すぐに在庫品薄になってしまったとか。こちらはローラさんが着用したアイテムとしても有名です。着丈がかなり長いので、チュニックワンピース風に着るのもかわいいですね。
ロゴキャップ
ヴェトモン初心者なら、まずはキャップから取り入れてみては。他のコーデはシンプルでも、キャップをかぶるだけでサマになります。
Tommy Hilfigerコラボパーカー
これも、まさかの奇跡のコラボレーションです。アメリカンカジュアルとミックスすることにより、コーデの幅が広がりそうなアイテム。カイリー・ジェンナーが着用したことで人気が高まりました。ヴェトモンお決まりのシュールなポーズがクール!
その他の人気アイテム
Reebok Sock Stretch-knit Sneakers
こちらも、リーボックとコラボした18SSソックスランナーです。スピードトレーナーを髣髴とさせる足と一体化したフィット感のある履き心地と、ヴェトモンのロゴが存在感たっぷりでストリートモードコーデにぴったりの一足。ヴェトモンのアイテムは数量限定アイテムが多く、完売後にプレミア化する可能性もあるので、ゲットできるうちに是非確保しましょう!
愛用有名人
カイリー・ジェンナー
アメリカのファッションモデル、カイリー・ジェンナーは、トミーフォルフィガーコラボパーカーをチョイスして、恋人のトラビス・スコットとのカップルコーデ。以前からヴェトモンのアイテムを愛用している彼女は、いち早く最新のアイテムをゲットしたようです。ストリートコーデ以外にも違和感なく着用でき、また新たにヴェトモンの可能性が広がりました。
カニエ・ウエスト
ヴェトモンの価値を高め、世界にその人気を拡大した立役者ともなったカニエ・ウエスト。価格が価格だけに、足踏みをしていた人たちも、彼が着ているなら!とこぞって買い求めるようになったのは間違いありません。
三代目JSB登坂広臣さん
https://www.instagram.com/p/Bhd8F28F3GV/?taken-by=3jsb_hiroomi_tosaka
https://www.instagram.com/p/6fN9XAlZpH/?utm_source=ig_embed
今や、メンズストリートファッション界をリードしている登坂さん。彼が着用したアイテムは必ずヒットするので、今後の動向が見逃せません。
BIGBANGテヤン
相方のG-DRAGONに劣らず、個性的なファッションセンスで注目されているテヤン。韓国アイドル着用アイテムも国内では続々ヒットしていますので、要チェック!リングベルトは汎用性の高いアイテムなので、是非取り入れたいですね。
EXO チャニョル
こちらのスヌープドッグTシャツも、三代目JSBなど国内外の有名人が着用したことで有名になり一気にバカ売れしたアイテム。一度見たら忘れられないインパクトのあるデザインはヴェトモンならでは。
2018SS注目アイテム
大人気だった、リーボックコラボスニーカーの新作は、白のシューズ全体に淡いグレーのロゴを重ねたシンプルながらも存在感たっぷりのポンプフューリー。奇抜なデザインや派手すぎるのは苦手な人でもこれなら履いてみたいと思わせる一足です。
こちらの新作パーカーのロゴは、日本の自動車メーカーのエンブレムからインスピレーションを得てデザインされたそう。クールだと思ったら、なんでもデザインに取り入れてしまうそのユニークさ、発想に脱帽です。
最新ニュース
ヴェトモンの大衆メディアに対するアンチテーゼ
https://www.wwdjapan.com/594185
ファッションニュースサイトのWWD4月1日号で、ストリートウウェブマガジン「ハイスノバイエティー(Highsnobiety)」が
「もう『ヴェトモン(VETEMENTS)』なんて誰も買っていない」とのタイトルでブランドの人気が下がっていると報道した。
との内容について、デムナ・ヴァザリア本人だけでなく周囲のバイヤーなどを巻き込んだ大論争に発展しています。これに対し、デムナ・ヴァザリアは公式インスタグラムに
「『ヴェトモン」は嘘とゴシップに基づいた“ジャーナリズムごっこ”には賛同できない。」
と反論。あえてネガティブな見出しでセンセーションを煽るフェイクニュースに過ぎない、と現在のマスメディアのあり方に対して疑問と不快感を表示しています。
「高すぎる、安すぎるという議論は無意味だ。商品の価値を決めるのは消費者。」
であるとし、あらためてファッションのあり方やブランドの個性について我々にアンチテーゼを投げかけました。
今後の展開
2017SSシーズンから、従来の形のファッションショーを行わないことを宣言したヴェトモンは、2018SSシーズンは”No Show” と題したファッションイベントを立体駐車場で開催しました。専属のファッションモデルを一切起用せず、「ノームコア」を謳い、子供からお年寄り、家族、カップルなど普通の風景を街頭ストリートスナップとしておさめるという異例の形式を採用。そして、ヴェトモンおきまりのポーズを、様々な場所で撮影するという大変シュールな光景となっています。これも、ヴェトモンならではの、既存の概念を打ち破り、ファッションとは何であるのか、普通であるとはどういうことなのか、という世間に対する問いかけ、メッセージであると受け取れます。バレンシアガにも力を注いでいるデムナ・ヴァザリアの挑戦が、今後どのような形でヴェトモンに表現されていくのか、動向に注目したいですね。
韓国留学→フリーライター→現在は韓国で2児の子育てをしながら、バイマのパーソナルショッパーとして活動中。目標に向けて、日々邁進しています。
好きなこと:読書、ネットショッピング 尊敬する人:ホリエモン、デヴィ夫人