第8章 2.在庫販売のメリット

更新日 : 2019年4月20日

在庫販売のメリットは以下の3点です。

①取引の管理コスト、日々の作業コストを大幅に削減できる
②買い占めによる利益確保で、価格競争から抜け出すことができる
③配送日数の短縮により、ライバルとの優位性を築きやすい

一つずつ解説していきます。

①取引の管理コスト、日々の作業コストを大幅に削減できる

BUYMAの問い合わせから取引完了までに必要な一連の作業を、在庫販売と無在庫販売でそれぞれ挙げると以下の通りです。

在庫販売

商品の買付け
商品の受け取り、検品
お客様からの問い合わせ(在庫チェックの必要はなし)
◎受注◎
購入者様に注文お礼の連絡
商品の梱包、発送
到着通知への返信

無在庫販売

お客様からの問い合わせ(仕入れ先の在庫チェック)
◎受注◎
購入者様に注文お礼の連絡
商品の買付け
購入者様に買付け完了、ショップから発送完了の連絡
(配送状況により、もう一度購入様に現状報告の連絡)
商品の受け取り、検品、梱包、発送
到着通知への返信

このように見てみると、問い合わせ対応や購入者様への連絡が数回増えるぐらいですが、毎月の取引数が30件を超えてくると、少しの手間だったものが大きな手間になり、どんどん非効率を生んでいきます。

実際の取引では、上図で挙げた作業以外にもイレギュラーなトラブルが起きたり、購入者様から様々な要望をいただくことも多いので、全ての取引がマニュアル通りに、とは行きません。一つずつの取引に柔軟に対応する必要があるので、その分時間も労力も増えていきます。具体的には、以下のような感じです。

「在庫確認の問い合わせをもらったけど完売していたから他の買付け先探さなきゃ」
「付属品に関する問い合わせをもらったからショップに確認しないと」
「このオーダーの発送連絡がきていないからショップに確認しないと」
「購入者からいつ届くかと連絡をもらったので追跡状況を調べないと」
「なかなか商品が届かないと思ったら税関で止まっている…」
「間違った商品が届いたから購入者に状況を説明しないと」
「購入者から○日までに届けてほしいと要望があったけどいつだっけ…」
「ショップから商品の発送が遅れたから購入者に進捗状況を連絡しないと」
「関税・消費税の支払いをクレジットカード決済したいからDHLに電話しないと」

というように、無在庫販売は利益に直結しない作業工数がどうしても多くなってきてしまいます。そうなると、本来優先的に取り組むべきリサーチに時間を割けず、さっリサーチを始めよう!と思ったら、問い合わせがきて、受注がきて、、商品を発送していたら1日が終わったなんて日もあるはずです。

一方で、在庫販売の場合は、問い合わせがきても在庫チェックの必要もなく、現物が手元にあるので、付属品やサイズに関する問い合わせがきてもすぐに返信することができます。受注後は、手元にある商品を梱包と発送するだけなので、受注前の問い合わせから取引完了までスムーズに進行します。

次に、日々の作業内容で在庫販売と無在庫販売の違いを見ていきます。

商品リサーチ&仕入れ先リサーチ

<在庫販売>本当に在庫を持ってまで販売したいものだけをリサーチすればOK
<無在庫販売>受注時には完売している可能性も高いので、ある程度幅広くリサーチする必要がある

出品作業

<在庫販売>一回出品すれば同じ商品ページで売り続けることができるので、最低限の出品数でOK
<無在庫販売>前述の通り、幅広くリサーチする必要があるので、その分出品数も必要

リクエスト落ち

<在庫販売>在庫チェックをする必要がないので、リクエスト落ちは一括編集で購入期限の延長だけすればOK
<無在庫販売>在庫確認や価格の見直しをする必要があるので、毎回仕入れ先をチェックする必要がある

問い合わせ対応

<在庫販売>在庫確認の必要はなく、商品に関する問い合わせであれば、現品を確認して返信すればOK
<無在庫販売>都度仕入れ先を確認する必要があり、商品に関する質問があれば仕入れ先に問い合わせる必要がある

商品の買付け

<在庫販売>まとめて仕入れるので、最低限の買付け回数でOK
<無在庫販売>受注毎に買付ける必要がある

受注対応

<在庫販売>注文お礼の連絡だけすればOK
<無在庫販売>注文お礼、買付け完了&仕入れ先からの発送完了、発送状況の連絡など数回連絡する必要がある

発送作業

<在庫販売>すでに検品済みなので、受注後すぐに梱包して発送すればOK
<無在庫販売>商品が届き次第検品を行い、不備があれば購入者への連絡と仕入れ先への返品対応をする必要がある

取引完了通知&評価返信

<在庫販売>特にトラブルなくスムーズに取引を終えることができるので『満足』の評価をもらえる可能性が高い
<無在庫販売>配送の遅延や届いた商品の不備など、あらゆるトラブルが起こる可能性があるので、対応次第では『満足』の評価をもらえないことがある

出品後のメンテナンス

<在庫販売>最低限の出品数しかないのであまり手間がかからない。同じ商品を出品しているライバルが在庫販売をしていなければ、ある程度利益を上乗せしてOK
<無在庫販売>出品数が多いので手間もかかり、価格で優位性を出す必要がある

このように、在庫販売は取引の管理コストだけでなく、日々の作業内容までも大幅に削減することができます。

以上が、一つ目のメリットです。

②買い占めによる利益確保で、価格競争から抜け出すことができる

BUYMA物販ビジネスを進めていく中で、ライバルとの価格競争は避けられません。それは在庫販売であっても無在庫販売でも同じです。

例えば、同じ仕入れ先から買い付けているライバルが3人かいるとします。仕入れ価格が同じなので、必然的に販売価格も同じような価格帯になり、ライバル同士で販売価格を意識し合うことになります。そうすると、互いに値下げし合い、利益率は下がる傾向にあります。

しかし、分がその仕入れ先の在庫を全て買い占めてしまえば、ライバルは販売ができないので、ライバルに比較されることなく、自分を望む利益を乗せて出品しても売れるようになります。

教材

また、ブランド品はブランド側で供給量がコントロールされているので、直営店やセレクトショップには常に潤沢な在庫がある訳ではありません。

人気商品であればあるほど、受注時にはすでに完売している可能性が高いので、予め在庫の確保ができれば、同じショップから買付けていたライバルは販売ができなくなりますし、ライバルが他の買付け先から買付けた場合であっても、BUYMA内全体の供給量が減ってきたときに、ライバルの販売価格を気にせず高値で売ることができます。

つまり、在庫の確保=利益の確保であり、その利益を最大化していくことができるのが、在庫販売の強みとなります。

③配送日数の短縮により、ライバルとの優位性を築きやすい

第6章 4.出品後のメンテナンスの重要性でも解説したように、配送日数を短縮することができれば、販売価格だけで勝負しなくても優位性を築くことができます。また、在庫販売の中でも、配送日数を2〜4日に設定しているバイヤーもいれば、1〜2日で即日発送をしているバイヤーもいるので、即日発送ができればさらに競争優位に立つことがで可能です。