みなさんは海外通販サイトを利用されたことはありますか？
日本よりブランド品が安かったり、日本では買えない商品が購入できたりと、とても便利ですよね。しかしその一方で、偽物を販売していたり、商品を送ってこないなどの悪質な詐欺サイトによる被害が急増しています。
また、個人情報やクレジットカード情報が悪用されてしまう危険性も潜んでいます。中でも、クレジットカードの不正利用件数や被害額は年々増え続けています。
海外通販サイトを利用する際は、そのサイトの安全性をしっかり確認してからお買い物を楽しむことが大切です。英語ができなくても簡単にチェックできる方法がありますので、購入前に必ず確認するようにしましょう。
海外通販サイトを選別する12のチェックポイント
本記事では、海外通販サイトの安全性を調べる方法をご紹介します！
分かりやすいように、優良な販売サイトであるブランド公式サイト、matchesfashion.com、Farfetchを例に挙げて、偽サイトと比較しながら解説していきます。
チェックポイントは、全部で12項目です。
【1】商品の価格が安すぎない
【2】商品の在庫が揃いすぎていない
【3】独自ドメインのメールアドレスを使用している
【4】ブランド公式サイトのURLに酷似したドメインを使用していない
【5】実店舗の存在を確認
【6】SNSをしっかり更新している
【7】証拠決済手段にクレジットカード支払いがある
【8】サイトのどこかに「copy」「Replica」「fake」の記載がない
【9】VAT Numberが登録されている
【10】サーバーの場所がサイトの場所が離れすぎていない
【11】ドメインの年数を確認
【12】決済画面のURLがhttpsになっている
それでは、一つずつ解説していきます。
チェックポイント1．新作商品の価格が安すぎない
新作商品がブランド公式の定価に比べ、半額以下の価格で販売されている場合は注意が必要です。セール品であれば、50%オフになることも珍しくありませんが、新作商品が50%オフになることはないので、偽物である可能性が高いです。また、エルメス、ルイヴィトン、シャネルの革製品などは基本的にブランドによる直販しかありません。もし販売しているショップがあるとすれば、転売された商品ですので、偽物が混在している可能性があります。
○ブランド公式サイト 
こちらの偽サイトでは、日本定価約30万円ほどのロエベのパズルバッグが、199ドルで売られていました。1ドル＝115円で計算すると、なんと約2万3000円ほどで販売されていることになりますね。
×偽サイト
チェックポイント2．商品の在庫が揃いすぎていない
海外の正規セレクトショップでは人気ブランドの人気商品が安く購入できるのですから、入荷後すぐに完売してしまうことが多いです。また、サイズ展開のある靴や洋服であれば、人気サイズが完売して、一部サイズだけが残っているというのが普通です。在庫状況を確認してみて、どの人気商品もなかなか売り切れにならないのであれば、偽物を大量生産し、販売していることも考えられます。
matchesfashion.comでは、一部のサイズが完売しています。
○matchesfashion.com
こちらの偽サイトでは、全サイズサイズが揃っている上に、本来サイズ展開のない41.5〜46サイズまでもが販売されています。
×偽サイト
チェックポイント3．独自ドメインのメールアドレスを使用している
問い合わせ先のアドレスにフリーアドレス（Gmailなど）を使用している場合、偽物を販売している可能性が高いです。正規店あれば、ショップのドメインを取得しているので、メールアドレスも独自アドレスを使用しています。また、メールアドレスの記載がなく、問い合わせフォームのみというのも注意しましょう。
＜フリーアドレス一覧＞
・Gmail：xxxx@gmail.com
・Yahoo!メール：xxxx@yahoo.co.jp
・Outlook.com（旧：Hotmail）： xxxx@outlook.com / xxxx@hotmail..com / xxxx@live..com
・GMX：xxxx@gmx.com
・Inbox.com：xxxx@inbox..com
・Yandex Mail：xxxx@yandex.com
・Mail.com：xxxx@mail.com
・ Zoho Mail：xxxx@zoho.com
…etc
matchesfashion.comでは、「＠matchesfashion.com」の独自ドメインが使用されています。
○matchesfashion.com
こちらの偽サイトでは、Hotmailアドレスを使用しており、問い合わせフォームもありませんでした。
×偽サイト
チェックポイント4．ブランド公式サイトのURLに酷似したドメインを使用していない
例えば、GUCCIであれば「https://www.gucci.com」が公式サイトのURLですので、「https://www.guccioutlet.com」や「https://www.gucci-sale.com」のようなURLであれば、間違いなく偽サイトでしょう。
○ブランド公式サイト
URL：http://www.prada.com/
×偽サイト
URL：http://www.pradaoutlet.us/
また、ドメインの安全性の調べることができる「scamadviser.com」で検索してみました。
matchesfashion.comは、「Very Safe」との判定結果が出ました。
○matchesfashion.com
こちらの偽サイトは、信頼性が低く、安全に利用ができるか疑わしいとの結果が出ました。
×偽サイト
チェックポイント5．実店舗の存在を確認
ショップの住所が記載されている場合、適当に記載している場合もあるのでGoogle ストリートビューで確認してみましょう。そもそも住所を記載していない場合は、偽サイトである可能性が高いです。実店舗がないオンラインショップの場合、事務所の住所が記載されていることがありますが、その事務所が実在しているのかどうかは確認できないので確実な情報とは言えません。また、店舗が新しい場合はストリートビューにまだ反映されておらず、確認できないこともあるので注意です。
多くのショップでは「CONTACT」のところに住所や電話番号などが記載されています。
matchesfashion.comはオンラインショップのみのため、オフィスの住所が記載されていました。ストリートビューで確認したところ、かなり立派なビルにオフィスを構えているようです。
○matchesfashion.com
こちらの偽サイトでは、「CONTACT US」や他のページにも住所が記載されていませんでした。販売者の情報がないとなると、ほぼ100%悪質なショップであると判断できます。
×偽サイト
チェックポイント6．SNSをしっかり更新している
Facebookページ、Instagram、TwitterなどのSNSを更新しているショップも多いので、確認してみましょう。更新頻度やフォロワー数、投稿へのコメント数が多いほど、信用度が高いです。Facebookページであれば、レビュー機能があるので、ステマレビューではないか、投稿をした人が架空のアカウントではないかまで確認しましょう。多くのサイトでは、サイトのフッターに各SNSのアイコンマークが掲載されていることが多いです。
matchesfashion.comも各SNSを運営していたので、アイコンマークをクリックし、Instagramのアカウントを確認してみます。
○matchesfashion.com
掲載画像はどこからか引用した画像ではなく、ショップで販売中の商品を独自で撮影しています。投稿数もそれなりに多く、フォロワーも存在する人物でしたので、架空のアカウントではないことがわかります。
こちらの偽サイトでは、フッターに各SNSのアイコンがありましたが、リンク先が各SNSのトップページでした。一応、ショップ名で検索もかけてみましたがアカウントはないようです。
×偽サイト
チェックポイント7．決済手段にクレジットカード支払いがある
クレジットカード決済の導入はカード会社との契約が必要となり、手数料もかかるため、偽サイトでは銀行振込でしか決済ができないようになっている場合があります。なお、サイト上にはクレジットカードのアイコンマークを載せていても、カート画面を進めていざ決済しようとすると、クレジットカード決済が選択できないこともあります。PayPal決済については、PayPalアカウントが誰でも簡単に取得ができてしまうため、ショップの信頼度にはあまり関係がありません。
matchesfashion.comでは、カード支払いが利用できます。
○matchesfashion.com
こちらの偽サイトでは、「MoneyGram」という現金の送金サービスと「bitcoin」という仮想通貨での支払いのみでした。
×偽サイト 
チェックポイント8．サイトのどこかに「copy」「Replica」「fake」の記載がない
サイト上に堂々と偽物であることを記載して、販売しているショップもあるので注意です。よく読まないと見落としてしまうような箇所に記載しているケースもありますので、サイトの隅々まで確認しましょう。
もちろん、matchesfashion.comは、「TERMS AND CONDITIONS（規約と条件）」や「FREQUENTLY ASKED QUESTIONS（よくある質問）」を確認しても、そのような記載はありません。
○matchesfashion.com
こちらの偽サイトでは、「よくある質問」のところに堂々と「Replica」「fake」の記載がありました。
×偽サイト 
チェックポイント9．VAT Numberが登録されている
VATはValue Added Taxの略で付加価値税のことです。ヨーロッパの多くの国の税制でVATが採用されており、企業が政府機関に登録しているVATの支払者番号のことを意味しています。商取引を行っている企業の大半が取得している番号ですので、きちんと政府機関に認められたショップなのか確認してみましょう。
ただし、VAT Numberの記載がないからといって”危ないサイト”と断定するわけではありません。実際、matchesfashion.comのような優良ショップでもHP上に表示していないことがあります。
このチェックポイントは、登録されていればVAT Numberが安全性が高いことがわかりますが、サイト上に表示されていないからといって偽物であるとは言えないチェックポイントです。
確認方法は「欧州議会公式のVAT番号の検索サイト」を使います。
VAT Numberはサイトのフッター、または利用規約に記載されていることが多いです。Farfetchは利用規約に記載があったので、早速検索にかけてみます。 
「Member State」で国を選択し、「VAT number」を入力して、「verify」をクリックします。
検索結果を確認すると、Farfetchのショップ名でしっかりと登録されていました！
○Farfetch
こちらの偽サイトは、利用規約自体何も記載がなく、サイト上のどこにもVAT numberの記載がなかったため、「Please tell me VAT Number of pradaoutlet.us.」と問い合わせてみたところ、数日経っても返信がきませんでした。
×偽サイト
チェックポイント10．サーバーの場所がサイトの場所が離れすぎていない
matchesfashion.comはサイトの場所（Owner Country）がイギリスにあり、サーバーの場所（Website Location）がアメリカにあるので、問題ありません。一方偽サイトは、サイトの場所が中国でサーバーの場所がセーシェルという東アフリカの国にあります。このようにサーバーの場所がロシア、アフリカ、中国など、サイトの場所と関係性のない遠く離れた国にある場合は偽サイトの可能性が高まります。
○matchesfashion.com
×偽サイト
チェックポイント11．ドメインの年数を確認
ドメインの年数は他のドメインに乗り換えをする場合もあるので確実な判断材料にはなりませんが、年数が若いほど信頼性は落ちます。matchesfashion.comは12年以上同じドメインを使用しているのに対し、偽サイトは3年と４日でした。
○matchesfashion.com
×偽サイト
チェックポイント12．決済画面のURLがhttpsになっている
「https」は通信を安全に行うために必須のもので、クレジットカード情報や個人情報を入力する画面はURLの頭が「https」になっています。「https」にならず、ずっと「http」のままのサイトは情報を悪用される可能性も高いので、情報を送信しないように気をつけましょう。
matchesfashion.comは、クレジットカード情報の入力画面でしっかり「https」となっていました。
○matchesfashion.com
こちらの偽サイトでは、「http」のままなので、ページが保護されていません。
×偽サイト
いかがでしたでしょうか？どれも簡単にチェックできる方法ですので、是非試してみてくださいね。
ただし、上記の12項目全てをクリアしていれば確実に安全なショップ、とは言い切れませんし、優良ショップでも全てクリアしていないこともあります。1つの情報だけで決めつけず、総合判断することが大切です。
少しでも疑わしいポイントがあれば、いきなり高額な商品を買うことは止めて、まずは実際に一番価格の安い商品を購入してみたり、問い合わせをしてみたりして、ショップの対応を確認することも大切です。
せっかく楽しい買い物をするのですから、後悔のないようしっかりと見極めましょう！少しでも不安が残るようなサイトであれば、高くても安心できる正規店で購入しましょうね。
先輩バイヤーのコメント
BUYMAのパーソナルショッパーしてます。
シンプルベーシックなスタイルにどこか女性らしさや自分らしさを感じられるファッションが好きです。
好きなもの：バッグ、ワンピース、靴、ワークアウト、旅行
